ブログ「明日やります」の奥野さん(@odaiji)主催のイベント「第4回ブロガーズリスク分散勉強会」に参加してきました。
テーマは「漫画やキャプチャー画像利用の権利を正しく知ろう」
自分のブログに漫画のコマ画像を貼り付けたり、他のブログから文章を転載する際に、著作権を気にしている人はどれくらいいるでしょうか?
著作権を正しく理解しておかないと、ブログの運営に何かと不具合が起こることもあります。
そうは言っても個人やブロガー同士の勉強だけでは、果たしてその解釈が正しいのか怪しい部分も多々あるはず。
だったら正しい知識を持っているプロに教えてもらおうと言うのが勉強会の狙いのようです。
講師は現役弁護士の先生
今回講師として著作権について講義をしていただいたのはGVA法律事務所所属の野本遼平弁護士。
ブログやwebの知識も豊富なので、一見難しそうな著作権の話でも分かり易い言葉に噛み砕いてご説明いただきました。
GVA法律事務所ではコチラの本を出版されています。
パラっと読ませていただきましたが、著作権やキュレーションメディアなどについても書かれており、アプリ開発だけでなくブログ運営者の方にも良さそうですよ。
著作権の基本
まずは著作権についての基礎知識。
著作権を侵害すると刑事責任・民事責任を負う可能性があります。
軽い気持ちで画像を使ったら、思わぬところで罰金や損害賠償が発生した…なんてこともあり得るわけですな。こわいこわい。
では著作権って何?という話になるわけですが、著作権は著作物を自由に使用・処分できる(要するに儲ける)権利のこと。
著作物とは思想や感情を表現した創作物、つまり文章や音楽、絵画・写真・プログラムなどのことを指します。
これらは勝手に使ってはいけないってことですな。
さらに著作人格権というのも存在しています。
例えば写真家が撮った写真をトリミングして使うのは、構図が変わってしまうため写真家の意図とは違うモノになってしまいます。
これは著作者のプライドを侵害するためNGです。要は勝手に改変するなってことですな。
ブログを書くときに知っておくべき10のこと
今回の勉強会のキモとなる部分です。
ブログを書く際にやってしまいがちなことについて、事例を挙げて解説していただきました。
- 歌詞の引用の仕方
- 他人の投稿文章の転載について
- 漫画の引用
- 他のサイトへのリンク
- 芸能人やスポーツ選手の掲載
- 海外サーバー・海外著作物ならセーフ?
- 書籍の内容の紹介
- ゲームや映画のレビュー
- ゲームプレイ動画のアップロード
- サムネイル画像・イラストの使用
全体的に共通して言えるのは引用かどうか、というのがポイント。
引用する場合は次の要件を全て満たしている必要があります。
- 著作物を引用する必然性がある→引用をしないと記事がコンテンツとして成り立たないのであれば引用可能
- 著作物と引用物が区別されている→クォーテーションマークで囲んでいる、斜体文字になっているなど
- 自分の文章と引用文の主従関係が明確になっている→引用部分がメインになってしまわないよう自分のコンテンツとのバランスをとる
- 出所の明示がなされていること→出典を明記する
逆に言えばコレを満たしていなければ引用にならず、著作権を侵害しているということになります。
その他留意しておきたいこと
歌詞の引用にはJASRACの許諾が必要
ごく一部の引用であれば問題はないですが、歌詞の大部分を引用する際はJASRACの許諾を得ているかどうかが重要となります。
個人で許諾を得るのは難しいので、アメブロやライブドアブログなどのブログプラットフォーム自体が許諾を得ているサービスを使うほうが無難です。
他人の投稿からの引用
TwitterやYouTubeなどweb上に投稿されているものにも著作権があるので、コピーして使うのはNG。埋め込みであればOK。
YouTubeの埋め込みをする場合でも、元の動画が違法なもの(TVの無断転載や公式でない歌手のPV)を使うのはNG。うっかり使用すると著作権侵害幇助になる可能性も。
有名人にはパブリシティ権がある
芸能人やスポーツ選手などの有名人にはパブリシティ権が存在します。
これは有名人の名前や肖像から生じる経済的な利益や価値を守る権利。
ネームバリューを利用する目的で写真や名前を勝手に使ってはいけないんですな。
書籍の内容の紹介
このブログでも書評記事をちょいちょい書いていますが…ブログなどで要約を読んで満足してしまい、本を買わないようなことになるとNGです。
簡単に内容を紹介するレベルであれば大丈夫。
ゲーム動画のアップロード
最近ではゲームの攻略を解説している動画も見受けられますが、ゲームの画面は著作物なので基本的にはNG。
ただし最近ではフリーミアムを狙い、画面動画を公式にアップロードできる機能を持ったゲームも増えてきていて、これらについてはOK。
Twitterなどのアイコン
TwitterなどのSNSアイコンにアニメや漫画のキャラクターの使用は最も多い著作権侵害だそうです。
webにアップロードした時点で私的利用の範疇を超えてしまうんですね。
アニメや漫画のキャラクターは自分一人で楽しみましょう。
まとめ
さすがに講義内容を全部は書ききれないのでこれくらいで。
著作権については色々と制約があり「これはどっちだろう?」と迷うことがあるかもしれません。
そんなときにはコンテンツへの敬意を払う姿勢が大事だそうです。
画像や文章を勝手に使われた相手がどんな気持ちになるか考えることができれば、自然と答えは出てくるかと思います(迷ったらやめておくほうが無難ですが)。
また今後は各プラットフォーム(ブログサービスやSNSサービス)の利用規約をよく確認しておくと良いそうですよ。
これらプラットフォーム側でも著作権について独自の規約を定めていることがあるので、定期的に確認しておくと安心ですね。
ブログを運営する以上、必須となる著作権やコンテンツ引用の知識。
とても良い勉強会なので、今後の開催も期待されます。
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