『FACTFULNESS』

ファクトフルネス
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ずっと読もう読もうと思っていたものの、その分厚さからちょっと敬遠していた本『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 』。

Microsoftのビル・ゲイツ氏や、バラク・オバマ元アメリカ大統領が絶賛し、2020年のベストセラー本にもなったというだけあって、なかなか興味深い内容でした。

というわけで、ファクトフルネスとは何か、どういうシーンで活かすことができるのかを私なりの解釈でご紹介。

私たちは思い込みで世界を見ている

本書によると、私たちは10種類の本能(ある種の思い込み)で世界を見てしまいがちなんだとか。

例えばこんな質問があったら、あなたは何と答えますか?

質問1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?

A 20%

B 40%

C 60%

正解はCなんですが、その正解率はわずか7%。ほとんどの人がAを選択したそうです。

これは「世界は高所得国と低所得国に二極化している」という思い込み(分断本能)によるものであり、その中間にあるほとんどの国々に意識が向いていないということを示しています。

つまり本能的な思い込みというメガネ(バイアス)をかけて世界や社会を見ている人がそれだけ多いってことなんですね。

昨今、コロナウイルス感染症拡大に関してさまざまな情報が錯綜しています。玉石混交の情報の中から、いかに正しい情報を見極めるかが求められています。

もちろん情報を収集する能力も大事ですが、それ以上に本能的な思い込みをどう排除するかが重要なんじゃないかと思ったりするわけです。

正しい情報を知らないと損する

文章を書く仕事をしていると、やはり意識せざるを得ないのが情報の正確性。特に2016年のヘルスケアまとめサイト『WELQ』問題以降、この辺りのチェックはかなり厳しくなっています。

できる限り一次情報を集めるのが情報収集の基本ですが、新たな情報として発信するためには、集めた情報に対して思い込みを捨てて正しく分析、事実のみを抽出することが必要なわけでして。

これって文章を書く仕事だけでなく、どんな仕事にも当てはまるし、何だったら私たちの暮らしにも当てはまっちゃうんじゃないかと。

正しい情報を知らなかったおかげで損をするってケース、結構ありそうですよね。給付金とか、節税とか。

まとめ

というわけで、世の中を上手く生きていくためには正しい情報を見極めることが大切で、そのためには思い込みを捨てたほうが良いよ(ファクトフルネスを身につけたほうが良いよ)、という話でした。

本書で特に印象的だったのが直線本能の章。コロナウイルス感染症新規感染者をグラフに表すと、右肩上がりのまっすぐな直線になると思い込んでしまいそうですが、実際は減ったり急増したりと直線になることはほとんどありません。これを意外と思った人はすでに思い込みの罠にハマっている可能性がありますな。

なお、本書は読んだからといってすぐに役立つという類のものではありません。思い込みという本能的なものを理解することで、メディアの情報に踊らされずに世界や社会を正しく見る。そのための知識として押さえておくといつか役に立つんじゃないかと。

ご興味あればどうぞ。

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