ちょっと前から「文章を書くのに時間のかかる人はひょっとして構成が苦手なんじゃないか」って仮説を立ててます。
書くべきテーマに沿ってキーワードを用意できても、そこからどう組み立てていけば良いのかが分からない。なので手が止まってしまうんじゃないかと。
じゃあ構成力を身につけるにはどうしたら良いのかなーと思いつつ手に取った本が『これなら書ける! 大人の文章講座』。
この本にヒントになりそうなことが書かれていたのでご紹介。
文章術の本を読んでも文章が書けない人は要注意
文章を書くということについて、多くの人が文法やルール、起承転結といったセオリーなどを覚えることばかりに注目していますが、そのことについて本書では「重要ではない」とバッサリと切り捨てています。
例えば世の中に文章術の本はたくさんありますが、この手の本に書かれているのはほとんどが文法やルール。しかし、そういった本を目にした著者は
もちろん文章を書くには、そうしたルールも大切なのかもしれません。しかし、それこそまさに小学校の作文のときと同じです。
「こう書かなければいけない」
ということが指南されている。
ああ、これを読んだところで絶対に文章が書けるようにならない、と私は直感で思いました。
と文章のルールを学ぶことに対して否定的な見方をしているんですね。
さらに、文章術の本を読んで勉強する時間があるのなら、違うことに時間を使ったほうが良いと強調強調します。
それは「読むトレーング」をすること。
この「読むトレーング」とは、自分にとってお手本となる文章を見つけ、それを徹底的に読むことを指しており、トレーニングを積むことで文章のリズムや言い回し、構成などが自然と自分の中に染み込んでいくのだそうです。
文章を書くのなら、まずは文章を読むことが重要
実際、私自身もライターというお仕事をしていますが、体系立てて文章の勉強をした記憶はありません。学生時代に国語の成績は悪くなかったですが、作文は苦手分野でした。
それでも今現在文章を書くことがお仕事になっている背景には、ビジネス書をたくさん読んだことが一つの要因として挙げられるんじゃないかと思ったりしてます。
ビジネス書は小説のように文法やレトリックを重視した文章ではなく、ほとんどが論理的・体系的に書かれた文章です。こういった論理的に書かれた文章を多く読んできたことで、自然と文章の組み立てができるようになったんじゃないかと。
ちなみに本書の著者は雑誌『AERA』を長年読むことで構成を含めた文章力を身につけたのだとか。私もたまに目を通しますが、確かに読みやすい文章なので教材としてはオススメ。Webなら『東洋経済オンライン』なんかも良いんじゃないかな。
個人的に面白いなーと思ったのが、新聞一面の下段にあるコラムをお手本にすることをオススメしていない点。アレって書き写しをしている人も結構多いですが、あのコラムは新聞のあの位置にあるからこそ落ち着いて読めるものであって、新聞以外のメディアでは格調が高すぎて違和感を感じるのだそうです。なるほど。
まとめ
語彙や文法を正しく使った文章は確かに読みやすいかもしれませんが、文章の真の目的は「伝えたいことを相手にきちんと伝える」ことです。
ヘタにこねくり回して何が言いたいのか分からない文章を書くより、多少稚拙な表現でも言いたいことがきちんと伝わる文章の方がよっぽど意味があります。
これまでさんざん文章術の本を読んできたけど全然文章が上達しないという人は、そもそものアプローチが間違っているのかもしれません。まずは「読むトレーング」から始めてみてはいかがでしょうか?
ご興味あればどうぞ。
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