『調べる技術・書く技術』by野村進―あなたのブログにリアリティは存在するか?

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Research / neil conway

ブロガーであれば誰でも読まれる記事を書きたいと願っているもの。

読まれる記事、あるいは引き込まれる記事には共通して“リアリティ”が存在しているといえます。

ただ単に読まれる記事を書くためには流行りのテーマ、例えばデジタルガジェットや便利なアプリを取り上げるのも一つの方法でしょう。

最近はそういうテーマを取り扱うブログが乱立しているように思えますが…実際に読まれているのは、実体験を元に書かれた“リアリティ”のある一部の記事ではないでしょうか?

では記事に“リアリティ”を持たせるにはどうすれば良いのか?

ノンフィクション作家・野村進氏の著書『調べる技術・書く技術 』にそのヒントを探してみました。

『調べる技術・書く技術』by野村進―あなたのブログにリアリティは存在するか?

取材の重要性

『調べる技術・書く技術』では文章を書くにあたって、「調べて、考えて、書く」という一連の流れを解説しています
立花隆氏の『「知」のソフトウェア 』の現代版、と言った印象。

『「知」のソフトウェア』がこの「調べて、考えて、書く」という一連の流れを網羅的に解説しているのに対し、本書は取材(特にインタビュー)に重点を置いているのが特長的です。

なぜ取材が重要なのでしょうか?

実は情報には精度というモノがあるんですね。

自分の体験が一次情報、人から聞いた話が二次情報、ネットの情報は…三次・四次情報になるのでしょうか?
情報は人の手を介するほど精度は下がっていくもの
そして精度の低下に比例して“リアリティ”は薄れていきます

ではいかにして精度の高い一次情報に近づくのか?
その一つの方法として人に会って話を聞く、つまりインタビューという手法があるわけです。

本書では取材の申込み方法から、インタビューの流れ、さらにはお礼状の書き方までかなりのページを割いて解説しています。

資料収集は貪欲に

インタビューに臨むに当たり、事前準備として資料の収集は欠かせません。

相手から話を聞き出すのに、手持ちの情報は多ければ多いほど良いのです。

インタビュー相手のプロフィールはもちろんのこと、聞き出したい情報の基礎知識は最低限必要でしょう。

何の下調べもせず相手から話を聞き出すのは礼儀に反します。
話を聞きたいのであれば、少なくとも相手と同じ土俵に立ち「語るに足る」レベルにならなくてはなりません。

基本的なことも知らずに話しを聞きに来た相手に「とっておきの良い話をしてやろう」とは思いませんよね。
むしろ「そんなことも知らないのか」と呆れられるのがオチです。

そのためにも事前に集められるだけの資料を集め、しっかりと読み込んでインタビュー内容を練っておく必要がある、というわけですね。

まとめ

本書には例文として著者が実際に書いた記事がいくつか載せられています。
どれもグッと引き込まれるような”リアルな空気”を感じる文章です。
この文章も綿密な準備と取材を重ねた結果として生まれたものなのでしょう。

自分の取材したネタを元に文章を書くことの面白さにあふれる一冊でした。

ノンフィクション作家やライターを目指す人にはもちろん、ブロガーとして文章を発信している人にも十分役に立つ内容だと思います。

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