これまでの日常が一変して厳しい環境に置かれても生き残ろうとする小説3選

魚を獲ろうとする猫
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新型コロナウイルスの影響で、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。

外出自粛やリモートワーク、マスクの着用、手指の消毒など、これまでの日常とは大きくかけ離れた日常が当たり前になりつつあります。

とは言え、突然の環境の変化に対応するのはなかなか大変なもの。どうにか対応しなければならないのは分かっていても、これまでの生活とは違う厳しい環境で生き残るための知恵が必要になってくるんじゃないかと。

そこで今回は「これまでの日常が一変して厳しい環境に置かれつつも、しぶとく生き残ろうとする小説」を3冊ご紹介。

火星の人

言わずとしれた映画『オデッセイ』の原作となった小説。

火星に置き去りにされてしまった主人公が、空気も水もない環境で手持ちの物資を活用し、生き残るための知恵を絞るSFサバイバル小説の名作です。

本作最大の魅力は、主人公マーク・ワトニーの性格。

どんな苦境に陥っても持ち前のプラス思考とユーモアセンスでどうにか乗り切ろうとするその姿は、コロナ禍で何かと苦労している私たちも見習う必要があるんじゃないかなーと思ったり。

こちらは江戸時代の日本を舞台に、史実をもとに書かれた小説。

主人公の長平は土佐の船乗り。船で荷物を運ぶ途中で大シケに遭い、無人島に漂着します。

その無人島は水が湧かず草木もほとんど生えない火山島で、島の洞窟には過去に遭難したであろう人々の骨が散らばっている……そんな状態の島です。

無事に船の仕事を終え、好いた女性に結婚を申し込もうと考えていた長平のそれまでの日常は一変し、過酷なサバイバル生活が始まるわけなんですが、他の船乗りが次々と絶望していく中、長平だけは諦めずにしぶとくしぶとく生き残ろうと知恵を絞り工夫を重ねていきます。

何かと厳しい時代ではありますが、何が何でも生き残ってやろうと知恵を絞れば、意外とどうにかなるんじゃないか、そんな希望を抱かせる作品でした。

月面のクレーターに足を踏み入れた宇宙飛行士が正体不明のウイルスに感染し、宇宙船内で次々に死亡。生き残ったクルーは何とか地球に帰還しようと試みるものの、日本のある都市に墜落してしまう。

悲惨な墜落事故に加え、謎の致死性ウイルスによるバイオハザードという極限状態に追い詰められた人間はどうなるのか、その辺りの描写がよく書かれていると思います。

ちょうどコロナウイルスが流行しだした頃、マスクの買い占めや転売など(ある種の浅ましい)行為が多数見られましたが、こういう危機的状況こそ人間の本性をあぶり出すんだなーと、本書を読みながら感じました。

これまでの日常がある日突然消えて、とんでもない状況下に置かれてしまいつつもどうにか生き残る。そんなテーマの小説を3冊紹介しました。

小説だしフィクション(一つは史実ですが)だから、現実の問題には役立たないのでは? と言われてしまえば確かにそうなんですが、厳しい状況に置かれても決して諦めず、知恵と工夫でしぶとく生き残ろうとする主人公の姿こそ、今の私たちに必要なものなんじゃないかなーと思ったりしています。

ご興味あればどうぞ。

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