仕事にもブログのデザインにもファッションにも必要なのが“センス”。
あなたは自分の“センス”に自信がありますか?
“センス”というと、何やら選ばれた人間だけが持つ特殊な能力のように感じてしまう人も多いかと思いますが、実はそうではありません。
“センス”というのは天性のものではなく、訓練次第で身につけることができるものなのです。
今日は書籍『センスは知識からはじまる』より、センスを身につけるのに必要な3つのポイントを紹介します。
センスを身につけるのに必要な3つのポイント
1.知識を身につける
「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。(p.18)
本書では“センス“をこのように定義しています。
例えばファッション。
どんなに流行の服を着ていても、その人の体型や個性、あるいはTPOに合っていなければ「センスがいい」とは言えません。
流行の服(=売れている服)というのは数値化できますが、万人に最適化された服というわけではありません。
この最適化できる能力を“センス“と呼んでいるわけですな。
さて、その“センス“を身につけるにあたり必要なのが、まず知識を身につけるということ。
ファッションならYライン・Iライン・Aラインなどのシルエットや、流行のサイクルなどを知っているのと知らないのでは大きく差がつきます。
- Yライン・Iライン・Aラインとは
- カラダのラインをキレイに見せる基本的なシルエット
- トップスにボリュームを出し、ボトムスがスッキリのYライン
- 上下ともにスッキリのIライン
- トップスがスッキリ、ボトムスにボリュームがあるのがAライン
Webサイトのデザインなら、基本的なデザインの知識はもちろんのこと、フォントや色についての知識も求められるはずです。
普段から知識を蓄積しておき、それをうまく使うことで最適化されたものを生み出す。
センスのよさというのは天性のものではなく、蓄積された知識に裏付けられているモノなのです。
2.客観的にモノを見る
センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスはよくならないのです。(p.92)
流行のファッションにものすごく詳しくても、それだけでセンスが良くなるわけではありません。
客観的に自分を観察し、体型や個性、雰囲気などを加味したうえで、自分に合った(最適化された)服を選ぶことでセンスがよいと見られるわけです。
「この服が流行ってるから、これを着ておけば間違いない」
「子どもたちの間でこういう遊びが流行ってるから、似たような商品を出せば売れる」
こんな人や企業にはセンスのカケラも感じられませんよね。
センスは知識+客観情報から生み出されるということですな。
3.好奇心を持ち続ける
「知識は得ようと努力するか/しないか」というものですが、思い込みは無意識なのでいささかやっかいです。そんな思い込みを外す方法とは、いつもと違うことをしてみること。(p.159)
客観的にモノを見るためには、思い込みを外さなくてはなりません。
そのために必要なのが好奇心を持ち続け、いつもとは違うことをしてみるのが有効です。
例えば普段行かないようなお店に入ってみる。
これまで全く興味のなかったジャンルの本をパラパラとめくってみる。
お風呂で左腕から洗うのを右脚からにしてみる……などなど。
私たちは習慣の動物です。
朝起きてから夜寝るまで、かなり決まったルーチンの中で行動しています。
そうすると段々と視野が狭くなってきてしまう。
そこでいつもと違う行動をとることで、新しい興味や疑問を作り出してみる。
つまり自分の中に新しい風を取り込むことで思い込みを外し、視野を広げてみましょう。
まとめ
本書の著者はNTTドコモの「iD」や「くまモン」を手がけたクリエイティブディレクターの水野学氏。
水野氏によれば、時代は「次の利休」を求めているそうです。
戦国時代に茶の湯が流行し、多くの大名が茶器選びに迷っていたときに、千利休はシンプルな茶器を「よいもの」として、茶道を大成させました。
利休は自身のセンスによって、天下人・豊臣秀吉をはじめとする大名たちから敬われる存在になったわけです。
利休の時代に比べ、モノが大量に溢れている現代。
何が良いモノで何が悪いモノなのかが分かりにくい時代とも言えます。
そういう時代だからこそセンスを身につけ、人々に道を示すことができる「利休」的な存在が必要ということですね。
本書では今回紹介したポイント以外にも具体的な手法が紹介されていますので、ご興味あればどうぞ。
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