最近会社勤めに少々疑問を持ち出しています。
いや、サラリーマンが悪いってことではないのですが…何となくモヤッとした感覚が拭い去れないと言うか、何と言うか。
果たしてこのままサラリーマンを続けていていいのか、
そんなときに手に取ってみたのがこの本『辞めて生きる技術辞めて生きる技術』です。
何とも直接的なタイトルの本書、著者は『週末起業』などでおなじみの藤井孝一氏。
週末起業の発売から10年、”現代版週末起業”というスタンスの一冊のようですね。
『辞めて生きる技術』by藤井孝一 ― 会社勤めに疑問を感じたら読む本
本書の構成
第1章:10年目の「週末起業」
第2章:会社を辞めてフリーで生きる道
第3章:カッコよくFA宣言するための準備
第4章:「辞めて生きる」ための心得
第5章:日本フリーエージェント社会の到来
本書の概要
先の大震災や不景気による倒産・解雇など、もはや国や会社に頼れない時代になっています。
会社にしがみついてもノルマや人間関係のしがらみでストレスフルな毎日。
そんな状況から脱出するために、フリーエージェント宣言「古い働き方」から「新しい働き方」へシフトする方法を分かりやすく解説してくれます。
個人的にグッと来たポイント
今の世の中において「会社に雇われて生きる」ということは、それ自体が大きなリスク。サラリーマンとして月々の給料に依存している状況は、「給料という生命線を絶たれたらすべてオシマイ」になることを意味します。けっして大げさではなく、ほとんどのサラリーマンが「いつすべてを失ってもおかしくない状況」に立たされているのです。(p.5)
この一文を読んで、あなたはどう思うでしょうか?
「ヘッ、そんなバカな」と思うか、「むむむ、このままではマズイ!」と思うか。
私は後者の「マズイ!」という感情が迷うことなく湧いてきました。
それほど政治や経済に明るいわけではないですが、少なくとも今のこの国の状況は決して楽観視できるものではないと思っています。
自分の身を守れるのは自分だけ、それくらいの気概があってもいいんじゃないかなーと。
例えば、金融業の営業マンでプレゼン資料ばかりつくってきた人が、「プレゼン資料づくりのスペシャリスト」として起業した例もありますし、自動車メーカーの生産管理部門でコスト削減のスペシャリストとして働いてきた人が、「経費削減コンサルタント」として起業した例もあります。(p.112)
『週末起業』では「やりたいことで起業をしよう」という方針でしたが、本書では「今自分の持っているスキルを活かしての起業」を勧めています。
10年前とは世の中の仕組みが変わり、自分のやりたかった夢を追うための準備期間が持てず、すぐにでも「稼げる力」が必要となる現在。
まずは手持ちの武器を最大限に利用することが、効果を上げる近道だと説いています。
私はシステム開発をずっと続けてきたため、まずはそのあたりの知識とスキルが活かせるのかなと。
普段から自分のスキルの棚卸をしておくと良いかもしれませんね。
例を挙げれば、「子どもが小さければ子どものそばで働く」「親が年をとれば年寄りのそばで仕事をする」「自然に囲まれていたければ自然の中で仕事をすることもできる」といったように、自分の都合や考え方に合わせてカスタムメイドの働き方を選んでいくことができるわけです。(p.200)
本書の中で一番惹かれたところです。
ちょっと重い話になりますが、私は父親の死に目に立ち会えなかったんですね。
職場は自宅から片道2時間弱、個人情報の取り扱いもあるので執務室には携帯電話の持ち込み禁止の状況で、その当時父親は体調を崩し入退院を繰り返していました。
その日の朝も容体が悪くなり病院へ搬送され、昼休みに母親からのメールで入院したと知りました。「ああ、また入院か…」と思い、午後の仕事へ。
定時を過ぎ、帰ろうとロッカーから携帯を取り出すと、大量の不在着信。
母の携帯、弟の携帯、病院…17時過ぎからずっと電話をかけてきていたようです。
さらに着信とは別に弟からメールが入っており、父親が危篤状態だと知りました。
職場から病院まで、どう急いでも2時間半はかかるでしょう。
駅まで走り、さらに地元駅からタクシーを捕まえ、病院に着いたときもはすでに息を引き取った後でした。
この時の苦い経験は、それ以降ずっと頭の中に付きまとっています。
「もっと近くで働いていれば」「せめて携帯が自由に使える環境だったら」。
歴史に「IF」はないですが、そんなことばかり考えては後悔の念に苛まされてしまいます。
先の大震災で、被災地の方はもちろんのこと、都心でも帰宅難民となった方も思ったのではないでしょうか?
「ああ、もっと家族の近くで働いていたらどれほど良かっただろう」と。
会社で働くことも大事ですが、それよりも大事なことはたくさんあるんじゃないかと思います。
まとめ
すでに会社制度というのは、時代にそぐわないものになっているのかもしれません。
もちろん人がいるという前提で成立する仕事(医療・介護など)はなくならないでしょうが、パソコンとインターネットさえあればできる仕事はたくさんあります。
家族の近くで仕事をすることだって不可能ではないのです。
国も会社もアテにならないこの時代、今からでも自分の武器(稼ぐ力)を見つけておき、来るべき日のために研ぎ続けておくことは決して無駄ではないと思うのですが…いかがでしょうか?
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