新規プロジェクトの企画、会社からの独立・起業……などなど、何か新しいことを始めるときって周到に準備をしたくなるものですよね。
確かに準備期間が十分にあって、資金も人脈もたっぷりあって、なおかつみっちりと訓練を積んでから物事を始めればリスクを抑えることができます。
しかし、ひたすらリスクを避け、小さく安全に過ごすことは必ずしも良いこととは限りません。
むしろ時間をかけ過ぎて失われてしまうチャンスもあります。
そんなときは、とりあえず手元にあるものでなんとかする“ブリコラージュ”という考えを身につけておくと役に立つかもしれませんよ。
“ブリコラージュ”の考え方でまずはやってみる
ブリコラージュ(Bricolage)とは、「寄せ集め・あり合わせの道具を使って何かをつくる」という意味です。
要するに自分の手持ちの道具やスキルを使ってどうにかするということですな。
私が次の仕事も決まっていない状態でサラリーマンを辞めたとき、周囲の人間はかなり驚きました。
多くの人に「もっと慎重な人だと思っていた」と言われたんですね。
たしかに私はどちらかと言えば慎重な方だと思ってます。
ストレングス・ファインダーでも「慎重さ」は2番目の資質と判定されていますし。
ただ“慎重”と“鈍重”は違うと思うんですね。
次の仕事の準備ができていないからと言って、モチベーションの上がらない仕事をズルズルと続け、独立を先送りにすることはしたくなかったんです(ここは我ながら思い切ったなーと)。
もちろんやみくもに辞めたわけではなく、ひとまず手持ちのスキルの棚卸しはやりました。
長年のシステム開発の経験はあるし、文章もそこそこ書ける、ちょっとしたプレゼンだってできるし、写真もそれなりに撮ることができる……な〜んだ、意外と手元にはいろいろなものがあるんだなーと思ったんですね。
だったらこの手持ちの武器を上手いこと使えばどうにかなるんじゃないかと。
そこから意識が大きく変わりました。
そして今、正直言って儲かっているわけではないものの、意外とどうにかなっていたりします。
何よりもサラリーマン時代よりも毎日が充実していることが大きいんですね。
「私には十分な時間も、お金も、人脈も、経験もない」と嘆くのはやめよう。少なければ少ないほどよい。制約は見方を変えれば武器である。資源が制限されると、それでなんとかしなければならなくなる。そこには無駄の余地はなく、創造性が求められるのだ。
『小さなチーム、大きな仕事』(p.49)
まさにこれで、制限があるほうがいろいろとアイデアが出てくるし、そこから工夫も生まれます。
机上でうんうんと唸っているくらいだったら、まずは行動を起こしてみると意外と“創造力”ってやつが働いてくれるんじゃないかなーと。
まとめ
囚人が石鹸やスプーンで作った武器を見たことがあるだろうか?彼らは手に入るものだけで目的を果たす。誰かを刺すべきだなんて言っているのではないが、創造性を持つことで驚くべき結果を得られるだろう。
『小さなチーム、大きな仕事』(p.49)
やりたいことがある人は時間や資金、人脈が足りない足りないと泣き言を言うのはやめて、まずは手持ちの武器をフルに使う事を考えてみてはどうでしょうか?
あれこれ悩んでいる時間はもったいないし、リスクを冒さずに大きなリターンは望むことができません。
むしろ創造力を駆使した先にこそ、今までと違った世界が待っているかもしれませんよ。
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